1960年 ジュリエッタ・スプリント・ベローチェ
 1962年 ジュリエッタ・スパイダー
 1965年 ジュリア・スパイダー・ベローチェ
 
 ロミオとジュリエット
 
 ある日アルファの技術者たちがカフェで談笑していると、
ひとりの婦人が男性ばかりでいるのを皮肉ったのか
「ここにはこんなにロメオがいるのに、ジュリエットは 1 人もいないのね?」
このうまいジョークに周囲はおおいにウケた。
 
 戦前から高級車、高性能車ばかり作っていたアルファロメオ
戦後になって量産車として1900をすでに生産していたが
これでもそれなりに高級高価格車には違いなかった。
 
 そこでもっともっと小型のアルファをデビューさせることになっていた。
ロミオとジュリエット、まさに小型アルファにこれ以上ないピッタリの名前ではないか!と。
 
 その婦人のジョークがきっかけになって「ジュリエッタ」と命名された。
 
 ・・・と、いうハナシ。
 
 

 ジュリエッタにはセダン、クーペ、オープンの3種があります。
それぞれベルリーナ、スプリント、スパイダーと呼ばれます。
(ジュリエッタ・プロミスクァと呼ばれるステーション・ワゴンも、92台だけ作られたらしい)
 
 普通こういった新型車のデビューというのは主力になるセダンが先行するわけだけど
ジュリエッタの場合はスプリントと名付けられたクーペが先行デビューでした。
 
 いかにもスポーツイメージの強いアルファらしいじゃないか、と言われたりもしたが
本当のところはアルファだってベルリーナというセダンをデビューさせるはずだったらしい

 ところが発表直前に問題発生、どうも籠り音だったようで
さすがに主力のセダンでこれはマズイんじゃない、ってことになった。
社運をかけたジュリエッタ・プロジェクトのピンチ!
 
 ところが・・・
 
 じゃクーペならいいんじゃないの?それなら音だってアクセントになるって!
と、いうわけで1954年ジュリエッタ・スプリントがシリーズのデビュー作となりました(笑)
 
 しかし、1900と比較して2/3の価格、1300の軽量コンパクト
アルファのレースで培われた技術がふんだんに盛り込まれたジュリエッタは
このクラスではもちろんトップクラスの性能を持っていました。
 
 
 ジュリエッタは小さいジュリアの意味になります。女性名ですからジュリアの妹ですね。
つまりイタリア語では 〜ッタは、小さい〜 ということになるわけで
 
 ベルリーナは元々「ベルリン式の幌付き馬車」の意味でクルマではサルーンの意味
ベルリネッタとなると小さいサルーン、つまりクーペの意味になります。
 
 ちなみにバルケッタは小舟の意味。

 脱線:ポルトガル語では〜ニョが同じようになります。
    ロナウド(大)→ ロナウジーニョ(小)
 
 
 イタジョブにやってきたジュリエッタ姉妹はどれも綺麗でした。
みんなアラ50世代になるというのに、ね(笑)
スプリントはベルトーネ、スパイダーはピニンファリーナのデザインです。



 このジュリエッタ・スプリント・ベローチェは1960年ですから後期101系ですね。
ベローチェなのでツインキャブ等搭載の高性能モデル、100psでしょうか。





 ジュリエッタ・スパイダーも101系、1300モデルの最終期になりますか
80psじゃないかな。このころからハードトップもオプション設定があったはすです



 ジュリア・スパイダー・ベローチェのボンネットのパワーバルジは1600搭載の証
ジュリアからは5速ミッションになっているはずです。


 この一連のジュリエッタ・シリーズの成功でアルファロメオは量産メーカーになったんですね。



 イタジョブには2600SZ、ジュリエッタSZ、そしてSZ2
 古いSZが揃い踏み致しました(!)
 
 



  アルファロメオ・ジュリエッタSZ2


SZ2は名前の通りSZの進化型、ということになります。
競技車両ですから戦闘力をあげるために進化させた、ということです。
 
 その主な内容は、前後のオーバーハングを伸ばして、ファストバックにコーダ・トロンカを採用。
     
 このコーダ・トロンカはカム博士が1930年代に提唱したKテール理論(カムテール理論)
をよりどころにしたデザインということになります。
 
 その理論とは
 
 「流体の中を進むもっとも効率の良い形とされる魚のような流線型物体においては、
  その後端を切り落としても抵抗はほとんど増加しない」
 
 
 車体の後ろがビロ〜ンと伸びて徐々にすぼまっているもの、これをヤーライ型といいますが
これはテールが長すぎますし、かえって粘性抵抗が増えてしまいます。
 
 従って50年代のレーシングカーではテールを丸めていました。
ジュリエッタSZやフェラーリ250GTSWBあたりのことです。
 
 これをさらに空力的に進化させたのがコーダ・トロンカです。 
SZ2はこのデザインを世界で最初に採用したクルマ、となっています。
3か月遅れでファラーリ250GTベルリネッタ・パッソコルト(シャシー番号:2819)
いわゆる「ブレッドヴァン」がこれに続き生産型(?)250GTOとなります。 
サーキットでのSZの戦闘能力に陰りが見え始め
主に最高速度を上げるためにザガートに依頼してSZ2が誕生しました。
 
 狙い通り最高速度は伸び、及びそれに達する時間は短縮されたとされています
その点で成功したSZ2の生産台数は30台と少ないものです。
これはすでにザガートがTZの開発を進めているところであったためだったようです。

 TZの開発がもう少し早かったらSZ2は世に出なかったかもしれない。


そう考えると、この美しいクーペを今見ることができるのは
クルマの神様のちょっとした贈り物ですね。
 
 たった30台を生産するだけの時間の贈り物。
 

 SZのお尻はcoda tonda(コーダ・トンダ 丸いお尻)
 SZ2はcoda tronca(コーダ・トロンカ 尻尾を切る)
 お尻を長く伸ばしたのはcoda lunga(コーダ・ルンガ:ヤーライ型)
 これらは音楽用語にも使われたりします。






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