アルファロメオとの出会いから購入まで

　１９８５年ごろの話。当時私は中古で買った某国産スポーツセダンに乗っていました。
ある時高速道路で快調に（法定外速度で）走っていたところ、
とんでもない勢いで白い真四角のハコがすっ飛んでいきました。
後に知ったのですが、アルファロメオの2000ベルリーナでした。
今思えば「なんじゃあれは？」と思ったのが、その後の泥沼入りのきっかけでしょうか。
追いかけてはみたのですが、見えなくなることはないが差が詰まることもない。
見た目がなんだか古臭く、全然速そうには見えなかったのに・・・？。

　それはそれで印象として残っただけだったのですが
しばらく後にそのベルリーナと偶然再会することになりました。
なんと仕事関係で知っている人が乗っているではありませんか。
「あっ！これはあの時の・・・」というわけで、いろいろ話を聞き
そこでアルファロメオであることを知り、2000のベルリーナだと知りました。
結構な勢いで質問攻めにしたのでオーナーはさぞ面食らったことでしょう（笑）。
以前よりクルマは好きだったので、アルファロメオというメーカーは知ってはいましたが、
レースのこととエンブレムと一部の車種くらいがわかる程度でした。
しかしこのことでアルファロメオは一気に身近な存在になりました。
それに10年以上過ぎた古い車を所有する、ということに抵抗が減って、
それまで当たり前のように新車を基準に考えていた自分の選択肢が広がりました。
また速そうでもない四角いセダンがすっ飛んでいくということが、妙にカッコよく感じられ、
逆にいかにもそれらしいというのが,何か子供っぽく感じるようになってきました。

　それでも経済的な理由もありスグに購入というわけにもいかなくて
しばらくは本や雑誌を見つけては読み、先の知人の紹介でショップに話を聞きに行ったり
その手の好き者の友人といろいろ話をしたりということをしていました。
値段も（当時の中古の105系のことです）手が出ないほどではない。
が、運転が難しい、クセがあるという話ではないか。
おまけに手入れが必要でサビたり壊れたりは日常茶飯事らしい・・・。etc
普通このあたりで「そうかぁ〜やーめた」で終わりそうなのだが
なんだかそのような敷居の高いところをつい克服したくなったのか、
それがカッコいいと思いこんだのか、これこそロマンだぁ〜と思ったのか。
天邪鬼にもそんなことを共に語る友人の存在も大きかったのでしょう。
気が付くと次はアルファしかないだろう！ん？になってしまいました。
（ただ張り合っていただけか？）

　そのように勝手に盛り上がっていた折も折、例の修理屋さんから
「下取りが一台出たよ」と、一報が入りました。グリーンの2000ＧＴＶでした。
当然ながら当時ですから伊藤忠モノの右Ｈでした。
実は友人の方が2000を希望していたので彼の物になりました。
私はといえば聞きかじり、首っ引きで1600しかないだろう、と
密かに頼んではあったのですが、さすがに当時でも古くなっており
簡単には見つかりませんでしたし、並行輸入もまだ盛んではなかったのです。
友人の2000に乗った印象ですが、全てがダイレクトに感じられました。
手から耳から足から尻からじかに音やら振動やらが伝わり（不快ではなく）
アクセルやブレーキ、ステアリングの操作に対する反応も同様に直接的で
性能に乗せられているのとは全く違う感覚で、新鮮に感じました。

　そんなこんなで、もうすっかりソノ気になっていたので
待てなくてあっちこっちに問い合わせをしました。希望は“段付き”の1600です。
そして見つかりました。関東の「Ｖ」というショップでした。
いそいそと出かけ待望の対面だったのですが・・・、いかんせん程度が悪い！
さすがに水を差されたような気分になりました。サビ・白煙、本で読んだとおり。
一応の説明を半分うつろで聞いていた記憶があります。
相当にがっかりしていたんでしょうね、たまたまそこにいたお客さんが
こっそりと「Ｇ」によさそうなのがあったよ、と耳打ちしてくれました。
「Ｖ」はそこそこに引き上げダメもとで取り敢えず教えられた通り「Ｇ」へ行きました。

　なんとそこには小さいショールームのそれでも一番いいところに程度のよさそうな
「ジュリア・スプリントＧＴベローチェ」が鎮座ましましているではありませんか！
自己弁護になりますが、ボロを見せられた後です。遠くから来たんです。
一目で決めても仕方ないではありませんか！ね。
で、そのようなわけで少々予算オーバーながら、　私にとって最初のアルファ
段付き三本髭　右ハンドル　色は白　会社名義のワンオーナー　どノーマル
ドアミラーが認可されていなかった当時のベレＧミラー
Giulia Sprint GT Veloce　がやって来たのです。

HOME BACK