思い出のアルファロメオ　その1　

　最初のアルファは1965年型ジュリアスプリントＧＴベローチェ、右Ｈで色は白。
段付きでグリルに３本のメッキのバーが飾りでついています。
ロクに経験もなくこれを選んだ理由は、まずデザインですね。本などで見たＧＴＡのイメージです。
それに当時は1600のエンジンがバランスが一番良いとされていたからです。



　とにかく来るには来たので、早速ガンガン乗って・・・とはやはりいきませんでした。
状態はワンオーナーで外観はヤレ以外はそれほどでもなくよかったのですが、
車検を受けているだけで実際は随分乗っていなかったのでしょうね。いろいろ出ました。
まず火を入れたらオイル漏れがあったのでガスケットを交換することになりました。
が、冷却水なんかでスタッドボルトが磨耗していて力をかけたとたん折れてしまいました。
見事に減っていましたね。そこで止む無くヘッドを降ろすことになりました。
煙は噴いてはいなかったのですが、せっかくだからリングくらいは替えて・・・。
いきなりの洗礼でした。買ったばかりもばかりですから経済的にはキツかったですね。

　ともあれ整備はそれで済んで今度は本当にガンガン・・・とはいきませんでした。
次はタイアでした。長い間乗っていなかっただろう、というのはここのことです。
一応の納車後ちょいちょい乗るには特に問題が出ませんでしたが、
ある時第１回の六甲モンテミリアを見に行こう！

　 同行は2000ＧＴＶ・アルフェッタ1.8セダンにフェラーリ275ＧＴＢ（！）でした。
　 このイベントにはＴｉｐｏ33ストラダーレが来ていたんです。行きたかったナァ・・・。

ということで初めて高速道路に乗り出した時のことです。
サービスエリアで一休みして、走り出した直後でした。いきなり振動に襲われました。
後でわかったことでしたが、古いタイアが熱で変形したようでした。
てっきり何か故障だと思い込んでしまいましたね。見た目にヒビとかなかったので
まさかそんな古いタイアがついていたとは思ってませんでした。
以降、素性がハッキリしない限りは必ず新しいタイアを装着するようになりましたけど。

　で、タイア交換することにしたんですけど、人の勧めに従ってサイズを変更することにしました。
14インチにして幅を増やそう、ということですね。が、今と違ってなかなかなかったんです。
いろいろ聞いてもらって「アウトデルタのレプリカ」を手に入れました。
ところがまたしてもこれがすぐに装着できなかったんです。
純正のナットが23ミリと大きかったので、ホイールのセンターのでっぱりに当たって入らない！
トヨタのナットが使えるよ、ということだったけど、左右逆ネジで半分しかダメだった。
結局あらためてナットも取り寄せ、ようやく装着できました。

　さて一応これで充分乗れるコンディションになりました。わずかのヒマでも良く乗ったと思います。
とにかくシフトダウンの練習をよくやりました。今思うとシンクロもヘタってたんでしょう。
でも、よくいう３→２あたりでガリッという音をさせてはならん、沽券に関わる！
と、いうわけで必要のないところでもよくやりました。笑える話ですけど。
その他何でも勉強でした。オイルや水を管理したり予備を積んで乗るようにしました。
こうでなくてはナラン、というようなことを聞いたり読んだりして実行しました。
なかにはガセに近いものもあったような気がしますけど・・・。
基本的には程度の良いクルマだったので、その後はトラブルもなく順調に過ごしました。
絶対的なトルク・パワーこそ不足していたものの、バランスよく扱いやすく、
かといって、操作をサボるとうまくいかない程度の戒めもあり。操縦感がとてもよかったです。
思い通りにピシッと決まった時の気持ちのいいこと！やみつきになりました。



　　そのころ行きつけの修理屋さんの常連が中心でクラブを作ったりして、仲間も増え
　ジムカーナやヒルクライムなどプライベートな競技なんかもするようになりました。
　ライセンスも取りました（クルマがクルマなんで使うことはないんですけど）。
　初めてサーキットを走ったのもこのころでしょうか。一時間くらいの走行会ですが。
　思っていたより「道幅」がずっと広くてラインもクソもなく、どこを走っていいのか、
　まったく予備知識は役に立たず怖くてベタベタで走っていたと思います。
　それでも満足感と多少の“慣れ”くらいは得て、うまくなったような気がしたものです。　　

　さて、充分満足して乗っていたＧＴＶなんですが、年数を経たストックのままというのは
変わりのなかったところで、ヤレだとかキレだとかが気になってきたのは当然でしたか。
横槍もいろいろ入ってくるし、更に耳年増になっていました。
さて他のクルマに替えるか、気になるところを直して乗るか？だったのですが・・・。

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